最高裁判所第一小法廷 昭和44年(オ)1257号 判決 1973年6月14日
主文
理由
上告代理人出宮靖二郎の上告理由二、について。
所論指摘の準備書面の記載を原判決の事実摘示および理由判示と対照するに、上告人らの主張する民法五〇四条による免責の抗弁につき、原審が上告人らの主張につき誤解しもしくは判断を遺脱したと認める余地は存しない。また、所論中その余の部分は、上告人らが原審において主張しない事実に基づいて原審の認定判断を非難するにすぎない。所論はいずれも理由がなく、論旨は採用することができない。
上告代理人出宮靖二郎のその余の上告理由および上告代理人武田太七の上告理由について。
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決(その引用する第一審判決を含む。)の挙示する証拠関係に照らしていずれも肯認するに足り、右認定判断の過程に所論の違法は認められない。論旨は、いずれも原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用することができない。
(裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 下田武三 裁判官 岸 盛一 裁判官 岸上康夫)